« 突撃!となりの宗教は?! | トップページ | 総じて、ラディッシュ。 »

2007年12月11日 (火)

突撃!となりの宗教は?! (つづき)

モンテネグロの三大宗教といえば?! ハイっ!そこの君ィ!

正解は・・・
①セルビア正教 ②イスラム教 ③カトリック
もっと先生のこと見ててよ~。これはテストに出るって前、寝言で言ってたはずだ!!

のっけから寸劇で始まり、あいすみません。
セルビア正教は、正教会(オーソドックス、Orthodox) の一派でキリスト教の教派のひとつ。オーソドックスは日本では『東方正教会』の名で知られています。セルビア正教会は1832年にトルコのコンスタンティノポリス総主教座から独立しています。

それでは前回のあらすじ!

大家のおばちゃんに「あなたはブタ(仏教徒)じゃないの?」と聞かれたmaity。自分は無宗教だと答えたが、それを知った友人に「この国で無宗教と宣言するのは、ヤバい。」と言われたのであった。(詳しくは前回の日記で。)

================================================================

maity:「ねぇねぇ、無宗教だと何がやばいの?」
友人:「いいかい。この国は、宗教をとても大切にしてるんだ。宗教を持ってないのは、この国では少々恥ずかしいことなんだよ。」

それはモンテネグロに限らず、宗教に対してそういう感情の国って結構ありますよね。でも、昨今は自分の宗教を明かすことで危険にさらされることもあるし・・・。

友人:「この国はそれだけじゃなくて、ウチら、この前独立したじゃんね?」

この前とは、昨年の6月のこと。モンテネグロはセルビアから独立したのであります。
友人の話によると、独立した今、水面下で何が起こっているかと言うと、セルビア正教が大きく変わりつつあるという話。・・・え、まさか宗教戦争でも起こりそうってんじゃないでしょーね!?

友人:「いやぁ~、そこまではいかないと思うけど、今、結構ゴチャゴチャ揉めてるぜ~。」

ブタだのブタじゃないだのから、話はとんでもない方向に・・・!

セルビア正教は、モンテネグロの三大宗教の中でも、とりわけ信者が多い宗教。
独立する前はセルビア正教で問題はなかったのですが、独立意識の高まりによって母国語のセルビア語が「モンテネグロ語」と言い出したのと同じように、セルビア正教会から新たに、『モンテネグロ正教会』を作り、セルビア正教会と分離するつもりだそうです。
そこで、「我々は『モンテネグロ正教』なんて認めないぞ!」と、セルビア国内とモンテネグロ国内のセルビア人信者とモンテネグロ人信者の間で、激しい対立が起こっているのだとか!

maity:「えぇ~ケンカしてんのぉー?」
友人:「うん。正教の総本山には認められてないのに、勝手に名乗る名乗らんで揉めてるよ。」
maity:「…ん?…ちょっと待て。まだ認めてないのに、あーだこーだケンカしてるの?」

でも、正教会では1カ国に1つの教会組織が原則なので、セルビア正教会がかつてコンスタンティノポリス総主教座から独立したように、一国家としてセルビアから独立したモンテネグロも『モンテネグロ正教会』と名乗っても良いのだとか。

maity:「でもさぁ~、どっちも私たち日本人から見れば『オーソドックス(Orthodox)』に変わりないじゃん。大体、オーソドックスもカトリックも同じキリスト教だしさぁ~。」

友人:「(おいおい、国民感情を逆なでするような発言すな!<汗)・・・まぁ、そ~なんだけど、ティバットは、オーソドックス(正教会)がとりわけ強い地域なのだよmaity。それにね・・・」

また、友人の話によれば・・・。
信者全てが争っているのではなく、正教会の会員には階級があり、上の階級に上れば上るほど、地元での権力が増すのだとか。そういった権力を持つ者の間同士で争われているそうです。

全てが宗教に密接とは言わないまでも、行政区分である程度宗教が固まっているこの国の様子をみていると、何となく、地域の名士…、地域行政への影響力…、地域の宗教…。全ての権力が結びついている図式を垣間見たような気が・・・。モンテネグロで「地場の権力を持つ」というのは、こういう事だろうか?

水面下では激しく争っている地域で、今、宗教に関してとりわけ敏感になっているから、『ピンときたら』maityも迂闊な事を言わないよう、気をつけろとのことなのでした。

ピンときたら・・・?
Icon1_2
我が家のリビングに掲げられている、聖オストログ(だと思われる)正教のイコン

それって、まさにウチの大家のことでは・・・・・・??
(大家は自分の宗教をあからさまにしないが、maityから見て、敬虔な正教徒に見える)

================================================================

ところで何で、この話を今この時期にブログに載せたかというと。。。
我が家にはクリスマスツリーがあったのですが、引越しした時夫どぶ朗が前のフラットに置いてきたのです(←確信犯)
で、ツリーの飾りは大家の物だったのですが、それだけ持ってきちゃったという…。
なので、今年もう一度ツリーを買ってこようと思ってるのですが、なかなかどぶ朗がうんと言わない。このような事もあったので、『宗教的なことで周囲に誤解されないため』という高尚な言い訳があるのかと思いきや・・・

「え?クリスマス終わったらツリー片付ける所がないから、ウチはいらない。」

えぇ~?!すっげぇ大人の言い訳!!
余興少なしモンテの厳冬の、maityの心温まる、ささやかな楽しみだったのに?!
毎年、オーナメントを増やそうと(モンテネグロ流)、今年もすでに買ってあるのに??
どぶ朗めぇ~、てめぇ去年のツリー返せや~オラァ!!(ノ`ロ´)ノ

正教の抗争とは別に、我が家でもクリスマスツリーを巡って激しい抗争が始まりそうな予感?

(おわり)

|

« 突撃!となりの宗教は?! | トップページ | 総じて、ラディッシュ。 »

コメント

水面下でそんな宗教問題が起こっているんだね。
(;´Д`A ```ゴメン、ワタシ、モンテネグロが昨年独立したばかりなんて知らなかったよ。
この国が独立してようやく15年。人々の意識変化が現れている真っ最中なんだよね。
でもこの国は無宗教派が大多数。そう言う難しい宗教問題も少ないみたい。

日本人には宗教問題って・・・・難しいよね。
ワタシなんて、カトリックとか言われても『キリスト教でしょ?』くらいでしか認識してないもの( ̄Д ̄;;
もっと宗教心持たなきゃいけないのかな?

投稿: junko | 2007年12月12日 (水) 17時39分

junkoちゃん

私も、カトリックと聞いても正教って聞いても、「キリスト教」としか認識できないんだけどね・・・(^_^A ```

いや、正確に言うと・・・同じキリスト教の仲間(?)でも、セルビア正教って、私が思ってた「キリスト教」のイメージ(カトリックのイメージ)と異なるから、1年かけて「やっぱりキリスト教の仲間なんだ」ってようやく理解しはじめた感じかな~。
正教ってエキゾチックな感じがして、謎に満ちてるよ・・・。

宗教心・・・人によっては持つことは必要というけどさ、私の個人的な意見では、倫理や道徳を教える場として宗教は必要だと思うのよ。でも、おのおのの『心』だけに留めておいてほしいって、そう思うよ。
せっかく平和的に独立できたんだから、宗教が引き金となってまた戦争ってなことになったら、こんな悲しいことないもん。

久しく忘れていたけど、あぁここも『バルカンの火薬庫』だったって思い出したよ~。

投稿: maity | 2007年12月12日 (水) 23時04分

前回は裏を読みすぎました(汗)
日本では気軽に「国際的な名前~」なんていって外国名ぽい名前を子どもに命名する事も多いようですが、こちらではほぼ「名前(+時に姓も)・宗教・民族」の三位一体ですもんね。
まあ、私が未だに異教徒なのも色々理由はありますが、こういった事も大きい理由の一つかも。
稀にですが、異宗教の名前を付けられたばかりに内戦中とばっちりを被った方もいらっしゃるようです(大汗)

ところで、正教徒の間の階級って、モンテ独自のものですか?
こちらでも聖職者における階級というのがありますが、信者間に階級が存在しないようです(オットにも確認)
ただ、もしかしたら教会建立等の際に沢山寄付(寄進?)した人は教会の「KUM」という称号を得ることができるので、その事なのかな?
そんな多額のお金を寄付できるのはやっぱりその街の有力者(平たく言えば金持ち?!)というのが大半だと思いますしね。
そういった権力は、聖職者のそれとは違うと思いますし、宗教をナショナリズム高揚の一つの手段としか考えていないような気すらします。

ちなみにウチの街出身で海外で成功し、貯めたお金を修道院建設の為に捧げた人がいるのですが、その人の場合は権力を得たいというよりは、純粋に「故郷や宗教への愛」から行動に出た感じです。

そういえば、ジョークの一つで「小さい時に洗礼を受けた人は小さい信者、大きくなってから洗礼を受けた人は大きい信者」なんていうのがありましたが、小さい頃から洗礼を受け宗教が根付いた生活をしていた人はいつの時代も変わらず謙虚な姿勢で信仰しているけど、国の社会主義体勢が崩れて宗教が出世の妨げにならなくなってから洗礼した人は「自分はこれだけの信者なんだ!」という事を知らしめる為に家庭での宗教行事を盛大に行う、という事のようです。
宗教戦争なんていいますけど、実際には宗教を純粋に信仰している人達が争いの種をまくのではなく、それを利用する人なんでしょうね。

あ、カトリックと正教はキリスト教で一緒じゃ~んなんて口にするのは「maybeやばい」レベルの問題じゃないですから~(爆)
正教、確かにミステリアスですよね。日本ではカトリックやプロテスタントほど馴染みがないですし。私も未だに分からんチンです。結婚式一つにしても、改宗しないと教会で挙げられないし。(→で、しなかった)
でも、正教と一くくりにしても、国ごとに微妙な違いがあるようですし益々謎が深まる一方です orz

長くなって恐縮ですが、クリスマスツリーは高さ30cm位で傘のように折りたためるものが便利ですよ~☆大きいツリーでなくてもよいのであればマーケットで探してみてくださいね。

投稿: Mic'o | 2007年12月13日 (木) 03時06分

Mic'oさん

いえいえ~こちらこそ、引っ張った割りには地味なオチで(^^;

>正教徒の間の階級って、モンテ独自のものですか?
え??てっきり、メジャーだと思ってました(爆)
もちろん、聖職者の階級のことではないのですが。
友人とは英語での会話で、しかも分かりやすいように噛み砕いて説明してくれたので、あえて『階級』という言葉を使ってくれたのだと思います。
聞いた話は、たしかに『階級』=寄付金などの貢献具合に近いかと。

『KUM』という言葉を使ってませんでしたが、恐らくその称号のことかも。ただ、モンテネグロでは単に名誉な称号っていうわけでもなさそう。一種のステイタスになっているような雰囲気ですね。「教会にこれだけ貢献してんだぞ」=「教会にこれだけ影響力持ってるんだぞ」といったような。。。

もちろん、有力者(または金持ち)が寄付金積んでも、それ自体は良い話だと思います。が、モンテネグロの「長いものには巻かれよ」的発想が、何やら純粋な信仰心だけではないことを証明しているようでなりません。

日本のとある田舎にまつわる、土地の名士=菩提寺への寄付=寺の影響力という話をひとつ知ってまして、大きな寺など檀家も多いじゃないですか。少年の頃は単なる墓参り、大人になって何かにつけ寺に多額の寄付金をするようになり、やがて議員なんかに名乗り出ようものなら、寺が見返りにその名士にどのような貢献をするかといえば・・・。友人の話を聞いていて、ふと思い出したのはこんな話でした。
議員に名乗り出る者も、寺の関係者もお互い「信仰心」と言えば片付く話で。

ところで話に出た『KUM』ですが、たしか正教には「クム」という名付け親(?)に当たる関係がありませんでしたっけ?洗礼、結婚式、個人の宗教行事には必ず呼ばれ、実の親兄弟の血より絆は深い関係といったような・・・。(すみません、うろ覚えで)
その「クム」とは別のものなのでしょうかね??

おぉ~、折りたたみ式のクリスマスツリーなんてあるんですね(@0@)
それは早速、リサーチしてこないと。。。
ツリーの話題ついでに、ボスニアの正教って、(枯葉の)樫の木のツリーを、玄関先に1年中飾りますか??
実は、我が家には大家が飾ったツリーがぶら下がってまして、それをいつ片付けようかなぁ~、捨てていいのかなぁ~と考えてまして(^_^A ```
旧暦のクリスマスに、たぶん1年飾ったツリーは教会などで燃やすと思うのですが、ずっと飾りっぱなしという家もありまして。このまま、自分が片付けないと飾りっぱなしなのかな??
というのと、あと、正教も国によって違うのなら、もしかしたらボスニアとツリーに関しても違うのかな?とふと思いまして。。。

投稿: maity | 2007年12月13日 (木) 08時19分

ひきつづき・・・書き漏らしました

>あ、カトリックと正教はキリスト教で一緒じゃ~んなんて口にするのは「maybeやばい」レベルの問題じゃないですから~(爆)

あ。(>_<) 
ついうっかり言った後「しくったぁ~!」と思いましたが。こんな事を言っても、終始大笑いしてくれた心優しい友人に向かっての暴言でよかったです(いや、最悪?<汗)
きっと、「maityがまたおかしな事言い出したぞ。」って聞き流してくれたんでしょうな・・・

そんな彼とは昨日も飲みましたが、良かった良かった、絶交されんで(爆)
いや、普段はこんな大胆な発言しないのですよ?
たまたま事故で・・・うっかり口がスリップして・・・このところ大雨だし(大汗)

投稿: maity | 2007年12月13日 (木) 09時20分

>ところで話に出た『KUM』ですが、たしか正教には「クム」という名付け>親(?)に当たる関係がありませんでしたっけ?洗礼、結婚式、個人の>宗教行事には必ず呼ばれ、実の親兄弟の血より絆は深い関係といっ>たような・・・。(すみません、うろ覚えで)
>その「クム」とは別のものなのでしょうかね??

前回長くなったので説明を端折りましたが、本来「KUM」というのはmaityさんがおっしゃってた洗礼親(というのか?)の他、結婚式の立会人(宗教婚及び市役所での入籍時)にあたります。で、教会の件も日本語で呼んだらいいか分かりませんが、これもKUMと呼ばれます。
昔から「kum nije dugma(クムはボタンじゃない→転じて代えがきかない(?)」などといわれ、本当に大事な関係とされ、血縁関係同様なのでkum同士の子どもは結婚が許されないという習慣もあるようです。
そんなこともあって親友といった自分と関係の深い人にこのお役目をお願いするのが一般的です☆

ちなみにウチの息子とKUMの娘(オットがこの子の洗礼親)は同じクラスに通っているのですが、何気に仲が良いようなので将来結婚とかいいだしたらどうするんだろう・・なんて妄想して笑っておりますが、息子の方が一回り位小さいし、それはなさそうな。といいつつノミの夫婦になってたりして(^m^)

投稿: Mic'o | 2007年12月13日 (木) 16時45分

スペルミスの訂正です

(誤)「kum nije dugma」
(正)「kum nije dugme」

失礼しました~

投稿: Mic'o | 2007年12月13日 (木) 16時51分

「ロブチェン山」で検索して来ました。
先月モンテネグロ旅行したばかりで、モンテネグロと聞けば目がハート型になっております。
あの美しいコトルにお住いとはウラヤマシー!
しかし、住めばまた、色々とご苦労がおありでしょうね。
モンテネグロは歴史上も宗教者=統治者だったこともあり、宗教には燃え燃えなのでしょうか。
私の所在地・中国では、今でも教会が当局に焼かれたりする、とか敬虔なモンテネグロのみなさんが聞いたら、どビックリですね。

投稿: ひつじ | 2007年12月14日 (金) 01時15分

Mic'oさん

>「kum nije dugme」
クムはボタンじゃない・・・奥が深いですね。
そうそう、洗礼親という言葉!これをずっと思い出していたんですよ~~
もうボケボケで(^^;
結婚式の立会いもクムがやるものなのですか。
日本で最近の結婚式では、人前式などで出席者全員が立会い人になる式もあるって聞いてますが、正教の信者達から見たらとんでもない話かもしれませんね。

「クム」が大事な存在だというのは知っていましたが、「クム」の子同士の結婚が許されないとは!
この狭いモンテネグロでは、結婚するのもいささか大変なことかもしれないですな。
(小さな町に一生涯暮らす人も多く、お嫁さんも近所から…っていうのも少なくないと聞いたので)

Mic'oさ~ん、将来のお嫁さんの心配は、いくらなんでもまだ早すぎですよ~(^m^)
今はノミの夫婦でも、息子クン、父方の先祖の血から将来的には、ずば抜けた長身になってるかもしれないですよ~

投稿: maity | 2007年12月15日 (土) 23時45分

ひつじさん

初めまして。
そうなんですか、先月こちらに旅行されてたんですね!
「ロブチェン」を検索されたということは、ロブチェン山もご覧になったのでしょうか?
私は昨年行きましたが、あの絶景は今でも鮮明です。

そうですね。かつて聖職者であり、統治者であったニェゴシュは今でもモンテネグロの人達にとって特別な存在です。ただ、宗教に燃え燃えになりだしたのは本当ここ最近の話で、やはりセルビアから独立した影響が今頃出てきたのでしょうね~。
独立して1年半が経ちましたが、これによる影響はまだまだこれから出てくるのではないかと思います。

中国では当局が教会を燃やすこともあるんですか!正教の信者だけでなく、私もびっくりです!
燃やされたわけではありませんが、コトル旧市街の中の教会は、カトリックと正教が長年争って、ひとつの教会が「カトリック→正教→カトリック→…」と宗教がコロコロ変わっていた時期もあったそうです。教会の建物自体は正教の創りですが、中の装飾はカトリック形式といったような。
で、今はどっちなんだろ~??っていつも悩んでいます(汗)

投稿: maity | 2007年12月16日 (日) 00時12分

そういえば、ボスニア内戦の時もイスラム教徒とカトリックとセルビア正教で戦争してましたね。私たちから、見ると同じ外見で同じ
南スラブ人だろ?と思ってしまうけど向こうの人にとってはまた違うのかもしれませんね

投稿: 里奈 | 2012年3月20日 (火) 21時31分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/79110/9346156

この記事へのトラックバック一覧です: 突撃!となりの宗教は?! (つづき):

« 突撃!となりの宗教は?! | トップページ | 総じて、ラディッシュ。 »